外科について
当院では、切り傷や擦り傷、咬傷、やけど(軽症)などの外科処置を受けられますので、ケガをされた際には感染症を防ぐためにも、早めにいらしてください。
また、他院で手術を受けた方で「術後のケアは自宅の近くで受けたい」といったご要望にもお応えしています。連携治療も可能ですので、お気軽にご相談ください。
粉瘤(アテローム)・脂肪腫について
粉瘤とは
粉瘤は皮膚にできる良性腫瘍の一種で、皮膚の下部に嚢胞(のうほう)という袋状の病変ができ、そこに古い角質や皮脂が溜まったものです。大きさは3cm程度から20cm以上までと幅広く、痛みが伴う場合もあります。夏場にできやすく、放置しているとなかなか治らず、自分で潰してしまうと炎症と感染を繰り返し、徐々に大きくなってしまう場合もあります。粉瘤ができる場所は、背中やお尻、指先、耳、首などがあり、体のどこにでもできます。
脂肪腫とは
皮膚にできる良性の腫瘍で、脂肪組織でできており、皮下脂肪と同じ黄色い色が特徴です。背中、肩周辺、お尻周辺にできやすく、たくさんの脂肪腫ができるケースもあります。
粉瘤(アテローム)・脂肪腫の治療方法
粉瘤や脂肪腫が小さい場合
外来の小手術で対応します。局所麻酔で皮膚切開術を行いますが、できるだけ傷口を小さくするために、粉瘤や脂肪腫を切開して膿や脂肪を出します。その後、丁寧に嚢胞(袋状)を取り除きます。
大きな粉瘤の場合
外来の小手術で対応します。局所麻酔で皮膚切開術を行いますが、排膿後、機械を使って粉瘤内部の嚢胞の壁を掻爬して除去し、きれいにします。
どちらの場合も、術後、再び膿が溜まらないよう、清潔を保つ必要があります。
術後の痛み
抗生剤と痛み止めの処方を行います。術後は痛み止めを飲むことで、ほとんどの方が痛みのコントロールができています。
通院
手術後、1日~3日以内に受診いただき、状態を確認します。その1週間後に再び受診いただき、問題がなければ通院終了です。ただし、大きな粉瘤であった場合、さらに経過観察が必要なこともあります。
ご自宅でのケア
再度膿を溜めないよう、傷口を清潔に保ち、丁寧に洗う必要があります。
治療費
粉瘤(アテローム)・脂肪腫の手術は健康保険が適用されます。
粉瘤・脂肪腫の大きさ・手術方法・治療箇所によって費用は異なります。
3割負担の場合、約4,000円~10,000円が目安となります。
巻き爪について
巻き爪とは
巻き爪は足の爪の両端が内側に曲がって巻き込んでいる状態で、激しい痛みと炎症を伴う場合があります。また、陥入爪の場合、爪の両端の角の部分がトゲ状になって指の皮膚に食い込んで痛みや腫れが生じ、ひどくなると膿を伴います。
特に、糖尿病の方は、巻き爪に伴う炎症が足全体の蜂窩織炎につながり、切断といった手術の可能性も考えられます。また、巻き爪、陥入爪といった爪の変形は爪白癬(爪水虫)を伴うことも多く、足のむくみなどの原因にもなります。こうした場合、肝機能のチェックをした上で、抗真菌剤の内服や外用などと並行した早めの処置が重要です。
当院は、総合診療としての立場から、巻き爪治療のみならず、こうした関連疾患にも対処していきます。
巻き爪の要因
爪が圧迫され続けて湾曲してしまうことにより巻き爪が起こります。
深爪
特に爪の両端を深く切ってしまうと、爪の周囲の肉が爪の先端部分を横や前から圧迫し続けます。
靴による圧迫
ハイヒール等、先端の細い靴は、靴によって爪の両脇が圧迫されます。また、あまり大きな靴も中で指が靴にぶつかることで爪を圧迫します。
白癬菌感染(水虫)
感染によって爪は弾力性を損ない変形しやすい状態になっています。さらに周囲の肉が炎症を起こしてむくむことで、爪を圧迫します。
外傷(つま先の強打)
重いものを落としたり、ぶつけたりすると周囲の肉が炎症やむくみを起こし、それによって爪が圧迫されます。
遺伝、体質
爪の強度が低いなど、遺伝や体質などにより、巻き爪になりやすいケースもあります。爪の形状が薄くて柔らかい場合や、ご家族が巻き爪の方は注意が必要です。
巻き爪の予防
爪切り
深爪をしないよう気を付け、爪の角を残して四角く爪を切ります。
靴
窮屈な靴や大きすぎる靴を避けてください。
感染予防
普段から足を清潔に保ち、洗浄後は保湿してください。
当院の巻き爪治療
当院では、巻き爪、陥入爪に対する根治手術およびワイヤー矯正を行っており、膿んで腫れている症例、手術・矯正後のトラブル、再発例にも幅広く対処しています。また、糖尿病の既往症がある方、白癬菌に感染している方など、それぞれのケースに合わせた総合診療を行い、関連疾患にも適切な対処を行っています。
巻き爪矯正VHO法
フットケアに関する先進国であるドイツで誕生したVHOワイヤー矯正方法は、3本のワイヤーを使用した矯正方法です。爪の湾曲に合わせてハンドメイドしたワイヤーのフックを爪の両端にかけ、中央のワイヤーを巻き上げて固定します。痛みがないため、施術中の麻酔は行いません。巻き込んだ爪を数ヶ月~1年間かけて徐々に伸ばしていく治療法で、弾力が弱くなったワイヤーを1~2か月ごとに交換します。
巻き爪の痛みに悩まされている場合、ワイヤーをかけた瞬間から痛みが解消していくケースがほとんどです。一度、矯正された爪は約一年半から2年間その形を保ちますので、その間に爪の正しいケア方法を覚えて再発を防ぎます。
なお、矯正治療を受けている間は入浴やスポーツも可能ですし、日常生活に制限はありません。
なお、巻き爪矯正VHO法は、ドイツのフスウントシューインスティテュート(FSI)より正式に認定され、ライセンスを取得した者のみが施術することができるものです。
実際の巻き爪矯正VHO法
巻き爪の両端にかけたものがフックワイヤーです。
フックワーヤー同士をつなぐ真ん中のワイヤーを巻き上げて、フックワイヤーを上に引き寄せます。
VHO巻き爪ワイヤー矯正と併行して爪白産癬(爪水虫)治療も行ったことで、健康な爪が生えてきています。
4ヶ月後には爪の湾曲がなくなっています。
巻き爪矯正VHO法のメリット
- 出血や痛みがない
- 生活上の制限がない
- 手術より自然な形に矯正可能